アルケゴス・ショック?
2021/3/29 米投資会社「アルケゴス・キャピタル・マネイジメント(以下、アルケゴス」が関連した取引により、野村ホールディングスの米子会社で2200億円規模の損失、三菱UFJフィナンシャル・グループの英子会社で300億円規模の損失、みずほフィナンシャルグループの米子会社で100億円規模の損失が生じる可能性があると発表した。
何が起こったのか?
「アルケゴス」が過剰なレバレッジとバイアコムCBS、Discoveryなどの米メディア、Baiduやテンセント・ミュージックなどの中国系企業への集中投資を行っていたが、バイアコムCBSは、追加増資公募を受け株価が急落。また、SEC(米証券取引所)が中国企業を念頭に置いた会計基準を満たさない外国企業の上場を廃止する規制強化への懸念が強まり、中国系企業の株価が低迷。これにより大きなレバレッジを掛けていた「アルケゴス」は、追証(追加証拠金)がかかり破産の恐れが発生。取引先であるゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど証券各社はブロック取引と言われる相対取引で「アルケゴス」の所有株を処分しようとする話し合いが持たれていたと思われたのだが、ゴールドマン・サックスが抜けがけ的に寄り付き前にブロック取引を行い、モルガン・スタンレーがザラ場で取引を行なったため市場に大きく影響し売りが売りを呼び(システミック・リスク)大暴落、対応の遅れた先の野村ホールディングスなどが巨額の損失を被ったという状況のようです。
市場への影響は?
バイアコムCBS:-61%、Discoverry:-57%、Baidu:-51%、テンセント・ミュージック:-49%、アイチーイー:-50%など大きく反落となった。「アルケゴス」の所有株の処分が、完了したとは不明なため今後も下落する可能性はあり得る。
しかしながら、今回の信用取引の失敗による株処分などは通常起こりえる事象でもあり、アルケゴス・ショックと呼ばれるまでの大暴落までには至らないと思われる。
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